2017/06/03
この曲の題名は、イタリアの小説家であり哲学者でもあった、ウンベルト・エーコの『薔薇の名前の覚書』という著作に由来するものである。
このエーコの著では、20世紀半ばに限界を迎えたアヴァンギャルド芸術への解決策として、「ウィットやアイロニーに富んだ」芸術が挙げられている。
簡単に言えば、それはカリカチュア(風刺画)的なパロディである。
それは例えば、写真家バーバラ・カートランドや現代画家の森村泰昌のように、自己の肖像画と過去の名画を組み合わせて新しい作品を生み出すといった作品を指す。
今回私はこれらの絵画の例に倣い、クラシック音楽における「薔薇」と「乙女」のメロディを寄せ集めた曲を書いてみたいと思い立った。
そこで私は「薔薇」と「乙女」の名がつく作品を探してみた。
そしてそれらの作品に現れるフレーズを自分なりに作り変え、曲中に組み込んだ。
曲は3楽章構成で、それぞれに「戦い」、「子守唄」、「謝肉祭」と副題が付けられている。
引用は2楽章と3楽章に現れる。
1楽章には引用がないが、作曲時にはシューベルトの弦楽四重奏曲からインスピレーションを得ている。
タイトル | 「薔薇乙女の覚書き」による前奏曲(吹奏楽版) |
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作曲者(編曲者) | 尾崎一成 |
編成 | 小〜中編成向き |
演奏時間 | 5:30 |
グレード | Gr.3 |
参考音源 | 吹奏楽コンクール自由曲集 vol.2「たそがれの狐」 |
価格 | 17,600円(税込) |
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