2020/03/22
12名程度の小編成バンドのための作品群の第3弾として2019年に作曲しました。
《たそがれの狐》(京都)《しののめの鴎》(東京)に続き、両親の出身地として縁のある北海道の地を舞台に設定し、アイヌ民族に伝わる天地開闢(かいびゃく)=国造りの叙事詩「カムイユカラ」を題材に作曲しました。
物語はこのような話となっています。
この世界は昔、無の世界であった。無の中から油のようなものが生まれ、それが炎のように燃えて浮き上がって空が生まれ、残ったものは島(北海道)になった。空と島の2つの氣から、天神と地神の2柱の神(カムイ)が生まれ、五色の雲に乗って地上に降りた。二神は五色の雲から海や土、生物を作った。ある時、1羽のフクロウが飛んできて、目をパチパチさせたことがきっかけになり、統率する神々を産んだ。また神の姿に似た「人間(アイヌ)」も創造し、神の世界と人間界を仲介する人祖神(オキクルミ・アイヌラックル)が生まれた。
作曲に際し、いくつかの部分は既存のアイヌの歌からインスピレーションを受けました。冒頭は桶の蓋を数人で囲みながら1拍ずつずれて輪唱させる《ウポポ》(座り歌)、急速部からは《イヨマンテリムセ》(熊送りの踊り)を基にして作曲しています。また、後半のゆっくりとした部分は過去に北海道を訪れた広大な自然の印象を元に音を綴りました。
この音源制作のために作曲家の指揮でピリオド室内吹奏楽団東京によって録音初演し、舞台初演は2019年6月に埼玉県立鷲宮高等学校吹奏楽部によって行われました。
タイトル | 天地開闢-神謡(てんちかいびゃく-かむいゆから) |
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作曲者(編曲者) | 今村愛紀 |
編成 | 小編成吹奏楽 |
演奏時間 | 6:30 |
グレード | 3.5 |
参考音源 | 【超小編成】吹奏楽コンクール自由曲レパートリー集vol.1+2 |
価格 | 17,600円(税込) |
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